花の咲く時季は何を暗示するのか

歳をとると何事にも心配が先に立ち、杞憂が安堵に優先する。今年の夏も暑かったが、「温暖化」という言葉がいつも常套句のように響いていた。そんなことが記憶に残ると、人は何でも温暖化に結びつけたくなる。 花には「狂い咲き」、「二度咲き」といった現象…

我流の哲学史雑感(13)の最後の疑問

「我流の哲学史雑感(13)」の最後は「「アプリオリな総合判断」はそもそも可能なのだろうか。」で終わった。その答を見つけようというのが今日の課題である。 いつでも真の文はトートロジー(tautology)。「今日は晴れているか,あるいは晴れていないかで…

冬靄

「冬靄」は冬の大気に低く立ちこめる煙のような霧のことで、比較的暖かい日に発生するという。昨日は朝方の雨が上がり、午後は晴れ渡った。そのせいか靄が出て、周りが靄った。冬の靄のかかった東京湾はいたって静かだった。

我流の哲学史雑感(13)

バークリーの唯心論 唯心論的な観念論はバークリー(George Berkeley 1685-1753)に始まる。バークリー以前の観念論は、人間の精神活動から生じる観念を実体的なものと捉えており、それを個人の精神活動のなかに閉じ込めることはなかった。観念的なものはそ…

非常識あるいは常識から常識あるいは非常識へ

伝統的な考えや立場に対する疑問や批判はそれらを否定するための挑戦であり、新しい考えや立場の主張です。通常、前者は常識、後者は非常識と受け取られてきました。非常識が常識を破り、新しい常識になる、そしてその常識がまた覆る、といった変革が何度も…

ミツマタの蕾

公園の常連となったミツマタは落葉性の低木で、ジンチョウゲ科に属する。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地で、3月頃に黄色い花を咲かせる。ミツマタは新葉が芽吹く前の枝先に花だけ先に開花する。下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形…

自然との「共生」(「自然の誘惑、自然の搾取」増補改訂版)

「共生」という言葉は耳に心地よく響きます。そのためか、生物学だけでなく、福祉、環境、文化、社会などの幅広い分野でキーワードとして引っ張りだこです。「多文化共生」、「男女共生」、「地域共生」などの熟語があちこちに溢れ、使われています。「共生…

我流の哲学史雑感(12)

ホッブスの哲学 トーマス・ホッブス(Thomas Hobbes 1588-1679)は、近代的な政治思想をはじめてシステマティックに展開した政治思想史上の偉人だけでなく、哲学史上もユニークな地位を占めている。彼の哲学思想はプラトン以来の伝統とは無縁で、デカルト以…

自然の誘惑、自然の搾取

花々の手の込んだ誘惑は圧倒的で、昆虫の私には抵抗の術がない。誘惑にのるように仕組まれた私の生得的な性質は私の行動をコントロールし、花々は私を家来の如くに支配し、操ってきた。私を虜にする色、形、そして、私を縛る香りや匂い。巧みな手練手管に翻…

我流の哲学史雑感(11)

ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz 1646-1716)は、ドイツが生んだ最初の大哲学者。ドイツにはヤコブ・ベーメとマルチン・ルターという偉大な思想家がいたが、体系的な哲学者となればライプニッツが最初である。彼は生前自分の説の全部を公開しておら…

ヒメイチゴノキ

植え込みの木にドウダンツツジやアセビに似た小さな白い花が咲いていて、ヤマモモの実に似た黄色の実が葉の間に見え隠れしている。幾つかの実を見比べると、黄色から赤色に変わっていくようである。そこで、調べてみるとヒメイチゴノキ(姫苺の木)とわかる…

我流の哲学史雑感(10)

ガリレオ・ガリレイ:近代科学の始まり ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei 1564-1642)は、近代科学の特筆すべき創始者。その業績は主に天文学と力学。ガリレオが科学者として偉大なのは、科学研究に臨む彼の態度にある。今では当たり前の、自然の観察に…

キク

キクは東洋で最も歴史の古い観賞用植物の一つ。原産地は中国ですが、早くから日本に伝わり、独自の園芸文化を生み出してきました。日本独特の美意識にそって発達してきたキクには日本の精神風土や文化の象徴が香っています。イギリスのバラと日本の菊とを対…

子供の頃に見た世界と今見ている世界:迷想

幼児の頃の知覚世界を再度見たい、体験したいと思うのは私だけではないだろう。老いた今の知覚世界、若い頃の知覚世界、思春期の知覚世界、そして幼児の頃の知覚世界を私が追体験することは果たして可能なのだろうか。知覚像が感覚質を核にしてでき上ってい…

我流の哲学史雑感(9)

ウィリアム・オッカム:実在論と唯名論 ウィリアム・オッカム(オッカムのウィリアム William of Occam 1290?-1349?)は、ドゥンス・スコトゥスと並んでスコラ哲学の最後の世代を代表する神学者で、オッカムはイングランドの地名。当時、聖職者の名をその出…

赤い実

白い実や青い実を見つけるのは大変でも、赤い実をつける植物は容易に見つけることができる。実際、昨日述べたナナミノキもクロガネモチも赤い実をつけていた。今日の赤い実はピラカンサで、見比べるために小振りのマンリョウに登場願った。公園のあちこちに…

我流の哲学史雑感(8)

アウグスティヌスの時間論 アウグスティヌスはキリスト教神学を確立するために聖書を深く読み解き、そこに書かれていることを己の思索の基礎とした。とはいえ、彼の思想が不合理な宗教的なものに支配されていることはなく、そこには近代以降の思想につながる…

ナナミノキ

ナナミノキ(七実の木)は、モチノキ科モチノキ属の常緑高木。別名ナナメノキ。明るい緑の葉と鮮やかな赤い実のコントラストが魅力(画像)。雌雄異株なので実を楽しむには雌木。葉は皮質で光沢があり、初夏に薄紫色の小さな花が咲く。冬にクロガネモチに似…

閑話:瞬間や境界はあるのか、あるなら、どこにあるのか

私たちは言葉や数学を生み出し、瞬間や境界をつくり、環境とその中の事物を感じ、考え、描いてきた。点や線の幾何学を知れば、世界には瞬間も境界もない、いずれも非在だということにすぐに気づいてしまう。すると、走り出す瞬間や隣家との境界線がないこと…

我流の哲学史雑感(7)

プラトンのイデア論:観念論の誕生 プラトンの西洋哲学への貢献となれば、イデアの解明とそれにもとづく観念論的世界観の確立である。プラトン以降の西洋哲学は個別と普遍、現象と実体、存在と知識、世界の認識論的解明といった諸問題について探求してきた。…

マホニア・チャリティ

中国原産の「ヒイラギナンテン」と、中国西部から台湾、ビルマに分布する「マホニア・ロマリフォリア(M. lomariifolia)」との種間交雑種がマホニア・チャリティです。本種はロマリフォリア種の形質を受け継ぎ、長い花序を直立して出すのが特徴です。12月か…

我流の哲学史雑感(6)

原子論とその世界観 原子論は、タレスに始まる初期ギリシャの自然哲学的世界観の一つの到達点である。ギリシャの哲学者たちは、世界を形作っている根本的なもの、つまり、アルケーとは何かについて考察を進めるうち、質量としてのアルケーについてはますます…

サザンカ(山茶花)

山茶花は私の住む江東区の木・花である。今は街路樹や生垣のサザンカが咲き誇っている。サザンカは、ツバキ科ツバキ属の常緑の広葉樹。区別のつきにくいツバキの花はまだ蕾だが、サザンカは赤い花を落とし出している(画像)。サザンカの花を見ると、童謡の…

閑話:人間の本性

(1)忘れたくても、忘れられない(2)憶えていたくても、憶えていられない (1)は忘れない、つまり憶えていることを述べ、(2)は憶えていない、つまり忘れることを述べていて、(1)と(2)は反対のことを述べていることがわかります。要するに、(1)は…

我流の哲学史雑感(5)

<パルメニデス哲学:不変性と次元> ギリシャ哲学の最初の関心は自然に向けられ、自然の謎を既知の自然のものを使って考え、説明するという、いわゆる「自然主義」の原型が生み出された。変化を変化しない普遍のもので説明すること自体は疑われない中で、変…

マーガレット・サンデーリップル(Marguerite 'Sunday Ripple')

今日は日曜日で、サンデーリップルの日。キク目キク科キク属の半耐寒性多年草マーガレットは、一重で白い舌状花が周縁にあり、中央に黄色い筒状花があります。でも、このサンデーリップルは草丈が低くまとまって咲き、花首が長いのが特徴の園芸品種(画像)…

我流の哲学史雑感(4)

<パルメニデス:形而上学の創始者> パルメニデスは正真正銘の哲学者で、プラトンのイデア論にインスピレーションを与えたが、それは彼の生み出した独創的な形而上学によってだった。彼が生まれたのは南イタリアのギリシャ人植民都市エレア。プラトンによれ…

プリベット

中国及びヨーロッパを原産とする常緑低木。軽やかな印象の葉が密生するため、公園や商業地の植え込みなどに多用されている。湾岸部の遊歩道や公園にもあちこちに植えられている(画像は豊洲市場傍の遊歩道のプリベット)。欧米では生垣として使用されること…

閑話:「生き様」と「死に際」

「生き様」には相当に長い時間の経過が前提されていますが、「死に際」には極めて短い時間で十分です。生きることは普通は長い時間を通じてのことですが、死ぬことは瞬時に起こるというのが私たちの常識で、それに異を唱える人は少ないのではないでしょうか…

我流の哲学史雑感(3)

<ヘラクレイトス:万物流転の思想> ヘラクレイトスはイオニアの都市エペソスに生まれ、紀元前500年頃に活躍した。彼はミレトス派とは異なる独特の思想をつくり上げた。「万物の根源は火である」というのが彼の哲学の核心であり、また「万物は絶え間なく流…