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ゆりかもめの高架を跨ぐ

首都高速晴海線は晴海と有明を結ぶ全長2.7キロメートルのとても短い高速道路。09年2月に豊洲から有明までの1.5キロメートル区間が先行開通。現在整備中の晴海-豊洲間の道路の全長は1.2キロメートルだが、それでも事業費は331億円。道路全体は17年度に完成予…

微積分の背後へのきっかけ

私たちが欲すれば、いくらでも小さい数を選び取ることができるとき、その条件を満たして選び取られた数を「無限小(infinitesimal)」と呼びます。でも、無限小を定義しようとすると、無限小という概念が漠然とした概念であることに気づきます。「無限小」が…

東雲運河の中州

木遣り橋(きやりばし)は東雲運河をまたぎ、豊洲と有明を結ぶ晴海通りに架かった橋。この名称は、この地帯に戦前から貯木場があったことに由来する。その木遣り橋の下を流れる東雲運河には中州があり、鬱蒼とした森林(のミニチュア)になっている。自然に…

文化学院のこと

与謝野馨氏が亡くなられた。心よりお悔やみ申し上げたい。与謝野氏は消費税による財政健全化を旗印にした政策通で知られたが、晩年は政治に翻弄され、政治通にはなれなかった。10年ほど前、与謝野氏がまだ文化学院の理事(あるいは院長)の時に卒業式で挨拶…

Principia(2)

(Principiaの発音:プリンシピア、プリンキピア、プリンチピアなど) もう一つのPrincipiaは言わずと知れたニュートンのプリンキピア(Philosophiae Naturalis Principia Mathematica)。Principia(1)では、 Principia Mathematica のPrincipiaとは論理学…

水辺の風景

江戸時代の水辺とはすっかり変貌した今の水辺。この風景が好きだという人と嫌いだという人にはっきり分かれそうな気がする。好き嫌いの理由は様々あれど、つくられた風景とそうでない風景の違いに人々はこだわるのではないか。私たちは色んなものをつくる。…

Principia(1)

最初のPrincipiaとの出会いのきっかけになったのは、ラッセルの『数理哲学序説』(1954岩波文庫、既に1942に弘文堂から出版されていた)と大学2年の夏休み前に図書館で見つけた彼のThe Principles of Mathematicsだった。どんな風に読んだのかはっきり覚えて…

二つのPrincipia

大学2年の夏休み前に図書館で見つけたのがラッセルのThe Principles of Mathematicsだった。どんな風に読んだのかはっきり覚えていないのだが、数学についての哲学とはこのようなものだと思ったのは確かで、同じ頃に読んだ田辺元の『数理哲学研究』との落差…

ヘーゲル『精神現象学』;素人の見解

ヘーゲルは私からは最も遠い哲学者の一人。妙に生々しいことを考えたという印象をもちながらも、とても読解不能な判じ物ばかり。そして、その代表が『精神現象学』。今回「欲望」に関心をもつと、ヘーゲルも似たようなことを考えていたようだと勝手に思って…

車窓

ずっと地下鉄を使った通勤だった。そのため、トンネル内では車窓からの風景を眺める、楽しむということができなかった。電車が止まった際に、せいぜいホームの様子を見る程度。 私が使っていた路線では途中から地上に出る。すると、その際に気分が変わる場合…

無欲と意欲(3)

「欲望とは、他者の欲望である」というちょっと気障な言葉は、フランスの精神科医、哲学者だったジャック・ラカンのもの。欲望は自らの内にあるというステレオタイプ的な思い込みに対し、それを逆転した視点を与えてくれるというのがこの文の大袈裟な解釈。…

運動会の練習風景

運動会はとても日本的な行事で、時には親まで参加を強いられる。運動が嫌いな親子にとっては地獄のような一日。私の場合は、幸いにも普通に動けて、走れたので、自分の属する組に「迷惑をかけることなく」運動会を過ごすことができた。こんな記憶は何とも不…

無欲と意欲(2)

前回は対称性やDNA複製の堅苦しい話に終始したが、今回は対称性の成り立たない、情報の遣り取りのある不安定な世界の姿を浮き彫りにしてみよう。 ゲノムは安定しているようで不安定、巧妙精密にできているようで実は間違いだらけ。合理的に精妙に働くが、故…

豊洲新市場に隣接する公園の運命

築地から豊洲への移転問題は相変わらず混迷したまま。欠点や問題だけに繰り返し焦点が当たり、利点や長所は忘れられ、無視されるばかり。新しい市場の新機軸は何なのか、古い伝統の捨てがたい点は何なのか、誰もよく知らないまま。だから、和解ではなく対立…

ヒポクラテスの木

古代ギリシャの医者ヒポクラテスは「医学の父」、「医聖」と呼ばれ、今でも「ヒポクラテスの誓い」が医師の倫理として受け継がれています。「人生は短く、術のみちは長い(Ars longa, vita brevis)」は彼の有名な文句。彼の生地ギリシャのコス島にはプラタ…

「かとり」

巡視船「かとり」が有明西埠頭に停泊していたが、確か「かとり」は引退したはずと思っていたので、調べてみた。30年以上にわたって、日本の領海警備や海難救助の最前線を担ってきた、旧「しれとこ」型巡視船の「かとり(PL125)」は2016年10月に引退した。11…

無欲と意欲(1)

物理学の真髄の一つとなれば保存則である。エネルギーや質量が保存されることが大前提になって世界が考えられ、理解されている。この世界観をリアリスティックと呼ぶなら、それに対峙するのがロマンティックな「破壊と再生」の世界観。破壊と再生の際の真髄…

訓練模様

昨日、江東区内の警察署(深川・城東・湾岸)の合同の訓練を見ることができた。偶然居合わせた私の写真を何枚か掲載しておこう。 警視庁のヘリコプター「おおとり8号」のけが人搬送訓練、警備犬や毒物を使ったテロ訓練などが行われた。私が見たのは午後だっ…

30時間制をヒントに

今では時刻表示は12時間制、24時間制がほとんどである。いずれの方式であれ、厳格に使っているかと問われると、自信がなくなる。私たちは融通無碍に使い熟している。「12時15分」と言われても、文脈がわかっていれば何の支障もない。だが、「12時15分」だけ…

二問

読者諸氏に二つ質問があります。どちらも「これは何だ、これはどうしたことか」といった好奇心を掻き立てるものです。 (問1)最近の建築や工事の表示は「見える化」というスローガンのもと、随分とわかり易くなりました。写真の看板を見て、何の違和感もも…

学習によって模倣される欲望:メモ

産業革命、資本主義は私たちの欲望を強烈に刺激し、それに個人主義がさらに油を注ぎ、欲望は加速する。欲望にとってはそれらすべてが麻薬となって、人は欲望の塊として生きることになる。そんな目立たない一例が印刷術あるいは版画。大量印刷は欲望を限りな…

市民レース

普通の人が一流のアスリートと同じように競技に参加し、自らの力を試すというのは今では当たり前のこと。色んな競技を普通の人が楽しみ、しかもレースに参加できる、これは誰もが経験してみたい事柄である。そんな試みの中の伝統的なものがマラソンや長距離…

公道でのレンタルカート

最近道路でよく見かけるのがゴーカートの集団。それもほとんどが外国人で5~10名程でドライビングしている。お台場にカートのレンタルの店があり、主に外国人旅行者向けに営業しているらしい。画像を見れば、確かに外国人。もう一つ不思議なことは、誰もヘ…

動物は美がわかるのか:審美眼は人にしかないのか(3)

既述のハンディキャップ理論は人間についても適用でき、幾つもストーリーがつくられている。男性のほうが女性よりも背が高く、体格もよい点に目をつければ、このことをクジャクの場合と同じように物語化できる。男性は食べ物を確保する能力や肉体能力を女性…

運河の楽しみ

水上スキーといえば、私が若い頃は憧れの遊びの一つだった。なんだかとてもハイカラなレジャーという感じが強かった。スキーやゴルフが憧れのレジャーだった時代は去り、水上スキーも憧れの座に居座ることはなくなった。 サーフィンは真面目に自然と戦えるし…

物語(ストーリー)による説明についてのメモ

「一寸の虫にも五分の魂」と言うが、昆虫の魂や気持ちなど誰にも想像などつかないのではないか。というのも、同類の人間同士であっても意思の疎通ができない場合が圧倒的に多いからである。こんな呑気な話でなくても、大昔の人たちが様々な神を信じ、自然の…

「はたらく おふね」

仕事をする車を題材にした幼児向けの絵本は結構たくさん書店の書棚に並んでいる。実際、バス、消防車、救急車が好きな子供はたくさんいる。電車や飛行機も同じように子供の関心の対象となっている。だが、船となるとヨットやクルーザーは取り上げられても、…

初夏の朝

5月に入ると、朝が早くなる。月が取り残されるかのように白み出す。朝日で輝く人工物が海面に反照し、船や飛行機が湾に入り込んでくる。次第に光があちこちに満ちて、新緑の風景が現出する。

最も退屈な科目:Logic in the liberal arts

(ボローニャ大学の講義風景、1350年頃) ギリシャ哲学の伝統を引き継ぎ、20世紀初頭まで知識の基本と見なされていたのが自由七科。具体的には文法、修辞学、論理学の「三学」(trivium)、算術と幾何、天文学、音楽の「四科」(quadrivium)のこと。ついで…

絶景、あるいは醜景、それとも単なる風景?  

妙に橋ばかりが多い有明西運河の河口は東京港のレインボーブリッジ。台場が開発された頃、有明ジャンクションは絶景の一つだったらしい。鈍感なためか、私にはどこが絶景なのかよくわからない。とても人工的な風景であることは確かで、水や海に対する人間の…

北斎「あやめにきりぎりす」と広重「堀切の花菖蒲」

植物学的には「花菖蒲」、「あやめ」、「杜若」はすべてアヤメ科アヤメ属。あやめは乾いた土地に適し、かきつばたは湿った土地に適す。花菖蒲はその中間で、畑地でも湿地でも栽培できる。だから、水辺で咲いているのは杜若か花菖蒲。乾いた畑で咲いているの…

動物は美がわかるのか:審美眼は人にしかないのか(2)

クジャクの雄はなぜ生存上不利と思われる派手な姿をとるように進化したのか。それは雌が派手な雄を好んだからだというのが性選択説。この説には、なぜ雌はそんな雄を好むように進化したのか、という点が抜けてしまっている。仮に派手な雄が生存上不利だとし…

菖蒲(あやめ)、菖蒲(しょうぶ)、かきつばた

これからはあやめ、しょうぶ、かきつばたのシーズン。「あやめ」と「しょうぶ」はどちらも漢字で書くと「菖蒲」。 だが、漢字は同じでも菖蒲(アヤメ)と菖蒲(ショウブ)は別物。花菖蒲(ハナショウブ)もこれらとは別物。だから、アヤメとショウブとハナシ…

動物は美がわかるのか:審美眼は人にしかないのか

人が何かを好きになり、別の何かを嫌いにならなかったら、この世界はつまらなく、生きている価値など誰も感じないだろう。また、大切にしたいものと無視したいもののメリハリがなければ、どんなものも心を惹きつけることがないだろう。知りたいものが何もな…

晴海運河

隅田川から分かれて晴海運河となるが、両岸はそれぞれ中央区の晴海と江東区の豊洲である。かつては寂しかった湾岸部は今ではすっかり高層ビルが林立する地域に変貌した。晴海には2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村が建設中だし、豊洲は新市…

心身の老い

「心が老いる」と言ったとき、それは身体の老いと同じ意味なのだろうか。脳を含む身体の「老い」については近年よくわかってきている。だが、心の老いについては心が何を指すかわからないなら、わかる筈もない、というのが20世紀までの常識だった。 そんなこ…

連休の終わり

日曜日は連休最後の日。世界は決して平穏ではないのだが、東京ヘリポート(新木場)、ビッグサイト(有明)、防災公園横のバーベキュー広場(有明)等々で、多くの人がそれぞれの楽しみの時間を平穏に過ごしていた。

潮風公園の福田繁雄作品(3)

福田繁雄の作品「潮風公園島の日曜日の午後」(1995)について既に2回述べた。現在作品が置かれているのは「水の広場公園」の片隅。作品は長方形の台座に置かれている。その一つの辺と対辺から見るとほぼ同じ一つの像が、もう一つの辺と対辺から見ると別のほ…

生死:持続可能性と断続可能性

(連休に羽目を外して) 持続可能性(sustainability)は生物多様性などと並んで、典型的な擬似科学概念。システムやプロセスの持続によって、生物的なシステムがその多様性や多産性を限りなく継続できる能力が持続可能性である。さらに、人間の活動、特に科…

海洋高校

かつては水産高校と呼ばれていたが、近年「水産」の代わりに「海洋」という名前に改名が進んでいる。東京商船大学と東京水産大学が統合し、東京海洋大学になったのを思い出す。どちらも水産業についての専門技術や知識の習得が目的である。 数日前だが、有明…

「万緑」

宋時代の詩人王安石の「万緑叢中紅一点」(「詠柘榴詩」)は、一面の新緑の中に赤い花が一輪だけ咲いていることを詠い、多くの男性の中に一人だけ女性がいることのたとえにもなっていて、いわゆる「紅一点」。この「万緑」を季語に使ったのが次の有名な句。 …

「これはパイプではない」

丁寧に描かれた一本のパイプ。そして、その下に「Ceci n'est pas une pipe(これはパイプではない).」と几帳面に手書きされている。このルネ・マグリットの絵は、一般的には「パイプの絵は本物のパイプではなく、絵に過ぎない」のだから、「絵と現実を混同…

伝統を守る、規則を守る

5月3日は憲法記念日。例年の如く、各地で行事が行われた。そこでは護憲、改憲それぞれの立場、主張が繰り広げられた。 「伝統を守る」とは伝統を変えず、伝統を継承することである。伝統を変えることを拒み、祖先から引き継いだものをそのまま、次の世代に継…

晴海

2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村の工事が進んでいる。大規模な工事で、暫くは工事用のトラックが走り回る。元の晴海国際展示場の跡地で、晴海運河を挟んで対岸は豊洲。豊洲には既に新市場ができている。2020年に両方がうまく利用されているか…

有明北緑道公園

陸と海とが接する辺りは公園にするというのが東京都のやり方で、台場、豊洲、有明は細長い公園が増えた。最近新設されたのが有明北緑道公園。公園といっても、歩道のようなもので、有明西運河と東雲運河の合流する辺りにでき上がり、レインボーブリッジの内…

生命現象は熱力学の第二法則に反する?

エントロピー増大の法則が正しいなら、宇宙は最終的に死ぬ。だが、このエントロピー増大の法則からは理解しがたいのが生命である。変化が過去から未来へと一方向に進むという点で、生命現象は熱現象は似ている。どんな生物も、その成長が逆方向に進むという…

運河の船溜まり

昨日の午後は天候が急変したが、その時のあけぼの運河。

情報を様々に異なる観点から眺めると…  

情報(information)と知識(knowledge)を殊更区別する必要などないのだが、伝えられた「情報を知る」とき、その情報は端的に知識なのだと胸を張って言い切るには何かが欠けているのではないかと一抹の不安は残る。だから、知られる前の情報とは何なのか、…

平成の風景

よく晴れた休日の豊洲。高層のビルが増え、昭和の風景とは随分違った平成の風景である。水がないと随分違う筈だが、水のお蔭で街の姿が潤っている。それにしても東京湾の水は随分と綺麗になった。昭和の川も運河も今とは違って汚かった。だが、その昭和を懐…

ブリューゲルの展覧会

東京都美術館で「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展16世紀ネーデルラントの至宝-ボスを超えて-」が開催中。きっと連休で込み合っているのだろうと思うと、足が向かない。若い頃からずっと変わらないのだが、私には北ヨーロッパは本能的に…