神の智慧、人の知識など…

『般若心経』の実物となれば、空海が書き写したと伝えられている奈良の海龍王寺(隅寺)に残るお経が有名です。実際は弘法大師より古く、1200年以上も前の奈良時代のもので、今でも写経の定番となっています。 ところで、『般若心経』で主張されているのは仏…

ハナカタバミ(オキザリス・ボーウィー)

原産地は南アフリカケープ地方。日本へは江戸時代に観賞用として渡来。葉の間から花茎を伸ばし、濃い桃色の花をつける。花径は3センチから5センチと大きく、花の真ん中は黄色い。 ムラサキカタバミについて既に書いたが、カタバミの種類は結構多く、イモカ…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか

このタイトルでだらだらと書き続けてしまったのですが、自分の不満だけ表面に出て、空回りでしかなかった感があります。自らの疑問に固執し、「空」思想の実践とは遠くかけ離れた結果になったことには我が身の至らなさを感じ入るばかりです。釈迦自身が実践…

ムラサキカタバミ

歩道の傍、露地によく見かけるのだが、雑草にしては花が可憐で、園芸植物なのだろうと思いながらも、気になっていた。名前がわかれば、それでその植物がわかったことなどには決してならないのだが、何の習い性か名前を妙に知りたくなる。そして、調べた結果…

ダイダイ

橙は文字通り柑橘類の一種。古い時代に中国から渡来。枝に棘ができ、実は酸味が強く苦味がある。さて、「ダイダイ」の名前の由来が面白い。最初、実は「緑色」で、冬に「だいだい色」に変わるが、そのまま次の年の夏まで残ることがあり、その場合「緑色」に…

ヒペリカム・ヒドコート(金糸梅)

近くの歩道では金糸梅の園芸品種ヒペリカム・ヒドコートが例年通り咲き出しています。よく茂った濃い緑色の葉に映えるキンシバイの黄金色の花は、初夏から夏へと移り変わる季節を表現していて、熱中症に注意と知らせているようです。金糸梅は江戸時代に渡来…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(8)

解答 端的に、いずれの言明もその内容が曖昧で、真偽を決めることができない。その理由は『中論』(そして『俱舎論』)の主張に不正確な点があるからである。極端な謂い方をすれば、『般若心経』に代表される般若系の教義をまとめた空論とその後の唯識論の主…

アカンサス・モリス

アカンサスが濃緑色で光沢のある大きな葉を広げて、雄大な花穂を伸ばした姿は、力強く、人目を惹きつける。草丈が1mを越える大型の宿根草で、6月頃から咲く花は、紫色の萼と白い花弁のコントラストが際立つ。今年は既に咲き始めている。学名のアカンサスは「…

ワイルドストロベリー

ハイカラな名前だが、和名はエゾヘビイチゴあるいはエゾノヘビイチゴ。別名はヨーロッパクサイチゴ、野いちご、プチベリー、スノーベリーなど。ワイルドストロベリーは小さく可愛らしい草姿が特徴で、果実はフルーティな香りがあり、古くから食用や薬用に利…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(補足)

因果連関とその表現についての基本的な疑問について述べておきたい。 (1)因果関係を条件法(conditional)と関数関係を使って表現する 私たちは原因と結果の間の関係を因果関係(causal relation)と呼んできた。大抵は因果関係が実在的な関係で、この世界…

ペパーミント

和名はコショウハッカ、セイヨウハッカで、スペアミントとウォーターミントの交雑種と言われている。原産地はヨーロッパ大陸で、シソ科ハッカ属の多年草。乾燥に弱いものの、一度植えてしまうと、地下茎と種でどんどん生息範囲を広げていく。非常に強く、雑…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(7)

縁起の物理学:力学的な決定論(1) どんな出来事にも原因があるというのが因果的な決定論の伝統的主張である。この形而上学的主張は、ニュートンの力学によって物理世界の決定論として精巧に具体化された。ニュートンの決定論に洗練された、見事な表現を与…

バイカウツギ

バイカウツギは落葉低木で、初夏枝先に白いさわやかな花を咲かせます。梅の花に似ていることから「梅花空木」と言われますが、中国名は「山梅花」です。また、茎が中空のためにウツギ(空木)の名前がついています。カタカナ表記だけでは判じ物です。花はウ…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(6)

龍樹の空論や世親の唯識論の世界観からタイトルの「「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか」に対して答えを出すために、これまで主に仏教側の歴史的経緯を説明してきた。それらが仏教の最もアカデミックな試みの結果であることを確認するとともに、その…

シモツケゴールドフレーム

シモツケは日本、朝鮮半島、中国に分布する落葉低木。和名は下野(しもつけ)(栃木県)に因むと言われると腑に落ちるのですが、「シモツケ」では頭を捻るばかりです。育てやすくて大きくならず、観賞期間もとても長い花木です。初夏に、紅色の小さな花を枝…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(5)

宗教と科学:「信じる」と「疑う」 「宗教教義を真だと信じること」と「科学理論を真だと信じること」とはまるで違うものだと教え込まれていて、疑問を持つどころかその通りだと素通りする人がほとんどなのだが、それに疑問を抱いた人たちがいた。より簡単に…

ヘビイチゴ

イチゴの一種。湿気の多い、蛇の出そうなところに生え、蛇が食べるようなイチゴと喩えられたことから「蛇イチゴ」の名になった。別名は「毒イチゴ」で、毒はないがこう呼ばれる。確かに子供の頃はこのイチゴの周りで何度か蛇を見た憶えがある。茎は地面を這…

カルミア

カルミアは、7種からなる小さな属で、北アメリカとキューバに分布する常緑低木です。カルミアの花が開くと五角形の皿の形になり、蕾の様子とは全く異なった印象を与えます。開いた花をよく見てみると、雄しべの先は花弁のくぼみの中に収まっています。この雄…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(4)

「唯識3年、俱舎8年」と言われ、それだけ教義の理解、習得が難しいと言われてきた。私もそれに同感で、部派仏教から大乗仏教が生まれ、盛んに経典がつくられる頃が仏教が最もアカデミックにその教義を体系化しようとした時期で、信仰だけでない真理の追求が…

チガヤ

チガヤはイネ科の植物。地下茎が横に這い、あちこちから少数の葉をまとめて出す。葉には細くて硬い葉柄があって、その先はやや幅広くなる。葉はほとんど真っすぐに立ち上がり、高さは30-50cm程になる。葉は冬に枯れるが、東京では残る場合が多い。初夏に穂を…

ゴクラクチョウカ

ゴクラクチョウカは南アフリカ原産の植物で、明治初期に日本に渡来した。「極楽鳥花」という日本語名は、花の姿が「極楽鳥」のトサカに似ていることからこの名前がついた。画像はストレリチア・レギネで、温室育ちではなく、露地物である。オレンジ色の萼(…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(3)

キリスト教の神学がトマス・アクィナスによってまとめられ、アリストテレス風の自然神学の枠組みができ上がるが、それに似て、部派仏教の教義は『俱舎論』によって整備され、さらに唯識論へとまとめられていく。信仰を支える常識、その常識をつくる知識、知…

花が咲き、実を結び…

今年の春は駆け足で過ぎ去り、既に初夏である。花の後に実がなり、その実がすぐに使われるものと、秋にじっくり成熟してから使われるものと様々である。もっとも、この違いの大半は人間の勝手な区分けに過ぎないのだが…画像はウメとカリンの実であるが、ウメ…

ドクダミ

ドクダミは子供時代の大嫌いな植物の一つだった。何とも陰気で、その臭いも嫌いだった。むろん、今はドクダミに格段の嫌悪感をもっていることなどさらさらなく、平気でドクダミに接している。子供の頃の毛嫌いは何だったのか、考え出すとわからなくなるが、…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(2)

かつて二重真理説と呼ばれる宗教と科学の知識に関する調停案があったが、総じて不評だった。中世以来、教会は科学的な知識と対立してきたが、それはある意味で素直で正直な対応だった。異端審問や魔女狩りがあったとはいえ、真っ向から議論する点で何が問題…

トリトマ

とても目立つ風貌ですから、一度見ると忘れない植物の一つです。これが台場から有明にかけて相当数目につきます。南アフリカのケープ半島東部からナマクワランドが原産地のススキノキ科の多年草で、外観は違っても遺伝子レベルではキスゲなどのワスレグサ属…

「諸行無常」、「色即是空」はなぜ真なのか(1)

タイトルの二つの言明が真なることをもって仏の救済を受け入れる人が多い。だが、これら言明が真かどうかはどうやって確かめることができるのか。仏をひたすら盲信するなら別だが、仏を信じる一助としてこれら言明を信じようとすると、その理由はなかなか見…

白の季節

白は雪の色で冬を象徴する色なのは確かなのですが、夏にも白が似合います。これもまた確かなことです。今年ももうそんな時期かと思いきや、一昨日から妙に肌寒く、気候変動を実感してしまいます。画像はアスチルベ、ヤマボウシ、ハマナスで、いずれも見事な…

ルピナス

ルピナスは、地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカ等に200種類以上が分布し、春から初夏に長い花穂に蝶のような形の花をたくさんつけます。今年は既に花が終わろうとしています。花色は赤、ピンク、青など豊富で、その姿は個性的で、二日前のジギタリス…

仏教の時間論:常識の洗練

ブロック宇宙モデルは時空のすべての点に対して同等の存在論的な身分を与えるモデルで、ダイナミックに変化する時間像は物理的な実在とは独立に人間の感覚と意識がつくり出したイメージに過ぎないと考えます。時間の流れや持続は人間の心が視点をもつことか…