マルメロとカリン(改訂版)

いずれの名前もエキゾティックな響きを持つのだが、二つを識別できるかと問われると、困ってしまう。そこで、模範解答を探すと、多分次のようになるのだろう。 マルメロの花は、やや紅を差すが、ほとんど白色。カリンの花は濃紅色。マルメロの果実は洋梨形、…

マルメロとカリン

いずれの名前もエキゾティックな響きを持つが、二つを識別できるかと問われると、困ってしまう。そこで、模範解答を探すと次のようになるのだろう。 マルメロの花は、やや紅を差すが、ほとんど白色。カリンの花は濃紅色。マルメロの果実は洋梨形、カリンの実…

新鷹丸

有明西埠頭の傍に水上バス乗場がある。見れば、小学生の一団が乗り込もうとしている。子供たちの騒めきが海に響いている。水上バスが出て行き、その先を見れば埠頭に小振りの白い船が停泊している。 警視庁の警備艇が走り去っていく先に見える船は新鷹丸(し…

二人のルイセンコ

ロシアには二人のルイセンコが同時代を破天荒に生きた。スターリンの時代、そのスターリンとの関係で二人は全く好対照な人生を送ることになった。「破天荒」とは「今まで人がなし得なかったことを初めて行うこと」、「前人未到の境地を切り開くこと」。二人…

Xとは何か:最短の解答

「Xとは何か」という問いは哲学的なWhat型の問いで、科学的なHow型の問いとは違うと言われてきました。でも、Xが曖昧で、それが何かに答えることができなければ、What型もHow型もあったものではなく、どちらにも答えることはできません。「学問とは何か」な…

知ること(5):ヒュームの懐疑と帰納法

[帰納的推論の特徴] 私たちは帰納的な推論をよく行なう。その推論の一般的なパターンは次のようになっている。 1今まで見たAはみなBである。2だから、次のAもBである。 3だから、すべてのAはBである。 このようなパターンをもつ帰納的推論の一例には次のよ…

壁面緑化(2)

昨日トリトンスクエアの中庭の緑化された壁面を紹介した。緑のカーテン、いやそんな生易しいものではなく、「壁面緑化」に衝撃に近いものを感じたからである。これほどの壁面を緑で覆い尽くす大胆なものは見たことがなかった。 ハーバード大学の赤煉瓦とアイ…

赤いバラ

薔薇戦争は百年戦争後のイギリスで1455年から30年間続いた内乱。王位継承をめぐって、ランカスター家とヨーク家が争ったが、紅薔薇、白薔薇をそれぞれの家紋にしていたため、「薔薇戦争」と呼ばれている。結局、ランカスター家の一族のテューダー家のヘンリ…

嘘こそ方便

役者の台詞をそのまま信じる人はいない。人を騙せないと役者にはなれない。役者は詐欺師のように巧みに騙すが、誰もそれを非難しない。虚構の世界の騙しは無害だからである。その騙し上手の俳優に似て、政治家はリアルな世界で巧みな弁舌を駆使して人を騙し…

知ること(4):知識の信頼可能性理論

[知識の信頼性] デカルトの論証によれば、知識は内的に保証可能である。前の論証は主観的な前提、客観的な結論、そして結合前提(主観的前提を客観的結論に必然的に結びつけるもの)からなっていた。デカルトの知識についての理論の特徴は次のように言える…

壁面緑化

晴海が海の街であることをギリシャ神話の海の神トリトンと掛け合わせ、さらに、職、遊、住の三つの都市機能と三棟のタワービルのイメージとを併せて命名されたのが晴海アイランドトリトンスクエア。 このトリトンスクエアの中庭は広くはないのだが、実に多く…

知ること(3):基礎付け主義

基礎付け主義とは何か[数学的知識の基礎付け] ユークリッド幾何学の方法は、明らかな公理から出発して、次第に複雑な定理を順序立てて証明して行くものだった。このようにして得られる幾何学的な知識は階段状に整列され、知識のピラミッドとして土台からし…

秋のバラ

日本にも野生のバラが16種もあるらしい。だが、菊ではなく、バラとなると日本的な花ではないことになっていた。それを大きく変えたのは「バラが咲いた」という浜口庫之助がつくったフォークソングだったと思う。それをマイク真木が歌い、バラは日本中に広が…

アサガオ、そしてススキ  

秋の七草となれば、ハギ(萩)、オバナ(ススキ)、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、そしてアサガオ。アサガオが秋というのは少々気になるが、昨日アサガオと柿の実の組み合わせを目撃した。その証拠に写真を撮ったのだが、それを見ると柿の実とア…

知ること(2):知識への懐疑

[懐疑のレベル] すべてのことを知っているのは神くらいで、人にはいない。だから、人は皆何らかの疑問をもって暮らすことになる。哲学は疑問を解くことであると言われてきたが、その疑問は懐疑につながっている。正しいと思われている知識に対する疑問が懐…

ユーカリの樹

ユーカリと言えばコアラの食料。500種を超えるユーカリの中でコアラが食べる種類は40種ほどで、しかも新芽しか食べない。アボリジニは葉を傷薬に使っていたが、最近は園芸用の植物として日本でも栽培されている。 ユーカリの大木は滅多に見ないが、芝浦工大…

白鳳

「はくほう」と言えば「白鵬」と書きたくなるが、もう一つ「白鳳」もある。こちらの白鳳には複数の意味があり、日本史では「白鳳時代」や年号「白雉」の別称という意味であり、また白色の羽毛をもつ鳳凰のことでもある。こんな聞きかじりのことよりずっと面…

知ること(1)

[「知る」ことの種類] 知っていること、知っているものは「知る」ことの結果であるから、知識は「知る」ことの分析を通じてその特徴を明らかにすることができる。実際、知識は私たちの知り方に応じてさまざまに分類されてきた。その代表的な分類は二つあり…

築地居留地と記念碑を知ること

(以前の「二つの記念碑」、「元居留地の残滓」も読み直してみて下さい。) 明石町界隈を徘徊しながら、人が何を見て、何を感じるかを時間をかけて考える楽しみを味わうことができた。人を想い出すように、ものを想い出し、ものを想像するように、人を想像す…

金木犀

秋の今、歩いていると急に馥郁たる香りが漂ってくる。おやっと思えば、歩道に金木犀が植えられている。その独特の香りで、金木犀は秋を感じさせてくれる。 芳香剤のようだと嫌う人もいるが、私もその一人。一日の内で5,6分ならOKだが、それ以上なら御免こう…

元居留地の残滓

1869年築地は外国人居留地になったのだが、商人たちは横浜に留まり、実業以外の人々が多く築地に集まり、それが歴史的に重要な役割を演じることになった。だが、震災で全ては壊れてしまった。残念なことに、今居留地跡に残るのは記念碑(と記録)だけである…

「哲学の議論とはどのようなものか」(7)

現場の問い「コイン投げは確定的、それとも確率的」に対する解答例 10古典的世界観の三つの前提:因果性、確定性、連続性(スケッチ) 古典的世界観の基本原理は、因果性の他に、確定性、連続性からなっている。ここではそれぞれの原理の詳しい説明はしない…

「哲学の議論とはどのようなものか」(6)

現場の問い「コイン投げは確定的、それとも確率的」に対する解答例 9自由と決定への素描:鍵は不連続な反復 マクロとミクロの世界での確率的でランダムな変化に対する考えを見てきたが、ここではそれらから何が言えるか考えてみよう。まず、これまでのことを…

二つの記念碑

聖路加は「せいるか」と読むのが正しいらしいのだが、誰もが「せいろか」と呼ぶ。正確には聖路加国際病院(St. Luke's International Hospital)。市場から晴海通りを越せば、静かな一角で、あかつき公園、タイムドーム明石、聖路加は都心の一角とは思えない…

深川八幡の力士碑

江戸三大祭りの一つ深川祭りは富岡八幡宮(深川八幡)の祭りである。その富岡八幡宮にあるのが「横綱力士碑」と「大関力士碑」。稀勢の里が土俵入りしたのがこの「横綱力士碑」の前。奇妙なのは参道に入るとすぐ右手にあるのが「大関力士碑」で、本殿右の裏…

「哲学の議論とはどのようなものか」(5)

現場の問い「コイン投げは確定的、それとも確率的」に対する解答例 (7)リンゴの落下からコイン投げへ リンゴの落下そのものを確率的なプロセスだと考える人はまずいない。だが、コイン投げとなれば、誰もすぐにその確率モデルを想像するのではないか。リン…

科学と仏教の信じ難い寓話:A君の信念

A君は、上座部仏教から大乗仏教が生まれ出た理由として、小さな乗物ではなく大きな乗物を用意したかったのだと教えられてきました。でも、A君にはこの成程と思わせる説明は本筋を隠す見事な歴史のレトリックだとしか思えませんでした。さらに、A君は次のよう…

ハゼ釣り   

ハゼは子供にも簡単に釣ることができる。ハゼの住処は真水が海水と混ざり合う汽水域。ハゼは砂泥底の海底を好み、水深があまりない遠浅の河口付近にいる。 梅雨の時期になると春に生まれたハゼは、5㎝~7㎝位に成長し、釣りの対象となる。8月頃には10㎝前後…

「哲学の議論とはどのようなものか」4

ガンダム

久し振りに休日のお台場を散歩してみた。ガンダムは3月に撤去されていたのだが、それが新しく設置され、沢山の人が集まっていた。9月23日に設置されたとのことだから、まだ新品そのもの。角の開閉や顔のモード変更、全身50カ所が発光し、肩、腰、膝パーツが…