我が家の向かいの国家戦略特区

加計学園の話が話題を一人占めしているが、東京都では国家戦略特区に都内の9区が指定されている。また、東京や横浜など11か所で外資系企業を誘致するための高層オフィスビルや、職場近接の外国人向け居住施設、インターナショナルスクールを一体的に整備する…

燃料電池バス(fuel cell bus)

既に都バスとして燃料電池バスが我が家の近くを走っていることを述べた。昨日東京駅に行くためにバスを待っていると、このバスがやってくるではないか。 お蔭で乗り心地を再体験できた。モーター音は静かで、クーラーの音の方がずっとうるさい。発進時や加速…

「コペルニクスの原理」あるいは「凡庸性の原理」についての独り言

コペルニクスもニュートンも「神が、幾何学的に美しくない宇宙を創造するはずがない」という確信から、自然哲学に革新的ともいえるパラダイムを導入した。彼らにとっては、神が人類の英知である数学に違反する世界を創造する筈がないのである。 コペルニクス…

消えた線路

汐見運河に架かる「しおかぜ橋」を渡り、その取付橋の下に目をやると京葉線が地下にもぐり込むところで、その横にもう一本赤く錆びた線路が見える。越中島支線で、小岩駅と越中島貨物駅を結んでいる。越中島貨物駅を発着するのは、構内にあるJR東日本東京レ…

夏至の頃

天文学での夏至は瞬間で、太陽の黄経が90℃になり天球上で太陽の赤道面からの距離が最大になる時刻(夏至点)。 2017年の夏至日は6月21日。夏至の瞬間である夏至点は、世界時では6月21日4:24、日本時間ではその9時間後の6月21日13:34だった。 21日はあいにく…

大学設置審議会:文部科学省の砦

新たな大学、学部や大学院を新設する場合、それが妥当かどうかを審議するのが大学設置審議会。大学、学部や大学院をつくるには文部科学大臣に申請し、大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会で審議され、認可を受けなければならない。 大学設置審議会…

貯木場と魚河岸

(1) 1972年貯木場水面を持つ134haの東京湾 14 号埋立地へ移転して誕生したのが「新木場」。移転の背景には江東ゼロメートル地帯と呼ばれた深川の水害対策という目的があった。臨港地区は港湾計画によって特定の目的をもつのだが、新木場地区は特定の目的の…

人間原理・・・宇宙はなぜこれほど見事にできているのか?

(fine-tuned universe:見事につくられ、微調整された宇宙) 「宇宙が非常に見事にできているのは人間が存在するからだ」というのが人間原理。ライプニッツによれば、この世界は考えられる限り最善の世界である。その理由は、神がこの世界を作ったのだから…

木場の現在:木場公園

都立の木場公園は、木場、平野、三好にまたがり、総面積は24.2ha。地名が示すように近辺は材木業関連の倉庫や貯木場が集まっていた。新しい埋立地ができ、貯木場が新木場へ移転したため、水害、火災、地震被害を食い止めるために、公園を作ることになった。…

夏の空と雲

夏の空には勢いのある雲が似合う。そんな元気な雲を眺めながら、 電線を飲み込むほどの夏の雲、 建物に負けるものかと夏の雲、 雲の穴覗いてみれば青い空、 隙間から光が漏れる夏の雲、 などとつい呟きたくなる。それが雲の入った光景の魅力である。

木場:栄枯盛衰

江戸の下町は商業地域で、それが下町の独特な人情、雰囲気をつくり出し、その幾分かは今にまで続いている。山の手、さらにその郊外となると基本的に住宅地域で、下町と違って商業活動に伴う問題は少なかった。静かに暮らすには山の手が好都合だが、仕事の上…

ペットと家畜、そして食糧

ペットが自由に飼えるマンションが増えた。いろんな犬たちがエレベーターに乗り込んでくる。そのほぼすべてが小型犬で、それも不自然な姿格好の犬たちである。人間より速く歩ける犬は少なく、たいてい歩くことが不得意である。そのためか、散歩もカートに乗…

水素の未来

東京都交通局がこの春から、「燃料電池バス(fuel cell bus)」の営業運転を始めた。屋根の部分が膨らんだバスに私が初めて乗ったのはつい最近である。随分と頭でっかちなバスだと訝りながら乗り込んだのだが、静かで乗り心地が良かった。車内を見渡すと、燃…

旧防波堤の緑地

写真は木遣り橋からの旧防波堤。「木遣り橋」の名前は東雲運河の南側が貯木場だったことに由来する。ちなみに、有明通りの次の橋は「角乗り橋」。現在は埋め立てられ、有明アリーナなどオリンピック・パラリンピックの施設が建築中だが、かつての有明貯木場…

夏の兆し

昨日はよく晴れた。眩しい中で見上げれば、なんと積乱雲が広がっている。 すっかり夏の空の風情で、そこを飛行機が飛んでいる。 本物の夏はすぐそこにある。

「知ること」と「信じること」から…

この世界の人は大昔から自分が棲む世界についてとても異なる対応を続け、そのことを容認してきました。この対応は時には共存し、時には争い、まるで違う民族、国家のような関係にありました。そして、それは今でも続いています。その上、いずれかの対応の良…

紫陽花再考

私が確かな観察眼の持ち主でないことは既に何度も述べてきた。視覚は知識に左右される。不確かな知識は視覚像も不確かにする。今回もその不確かな知識と視覚像が発端である。今は紫陽花の花が咲き頃で、最近は公園や庭先だけでなく歩道にさえ植えられ、梅雨…

ラプラスの悪魔と二つの反論

<ラプラスの悪魔> 古典力学ではすべての物体の位置や運動は正確に一つの値をもち、それを完全に表現できると思われていました。十分な精度の測定装置を使えば、その位置を完全に指定し、表現できると信じられていました。運動も同様に、速度や運動量を正確…

街の中の自然:梅雨の一日

人が造った人工物も勝手に生えた雑草も、単にそれぞれが自己主張するだけのように見えながら、何とはなく一つの額縁に収まる街と自然。 運河も雑草も梅雨の一日を表現する舞台装置。

紫陽花考

私が確かな観察眼の持ち主でないことは既に何度も述べてきた。今回もその不確かな観察眼が発端である。今は紫陽花の花が咲き頃で、最近は公園や庭先だけでなく歩道にさえ植えられ、梅雨の季節の定番になっている。梅、桜、藤、杜若など、日本人が好む花は大…

顕彰碑群

稀勢の里のしこ名を「横綱力士碑」に彫る刻名奉告祭が富岡八幡宮で行われた。富岡八幡は江戸勧進相撲発祥の地。貞享元年(1684)幕府より春秋の2場所の勧進相撲が許され、その場所が富岡八幡の境内だった。 大鳥居を入り、参道の右に「大関力士碑」その他が…

ニュートンの仕事についての1ページメモ

デカルトの運動論は「落体運動に関する研究を通じて自然学の新システムをつくる試み」だった。その基本は「運動量の保存」で、慣性の法則、運動は直線的、物体の衝突に関しての法則だった。自然学のシステムを数学的に築くという彼の理念はニュートンに引き…

晴海断景

今はオリンピック・パラリンピック村の工事がたけなわで、クレーンが林立し、工事用の車両が転げ回っている。 埠頭には先日述べた「大成丸」と同じ海技教育機構に属する「銀河丸」(約6000トン)と「海王丸」(約2500トン)が停泊。 2年後にこの風景は一変し…

新江東綺景(4)

旧有明貯木場 自分の住むところがかつて海だったと思うと、人はどんな気持ちになるだろうか。日本人なら全員考えるに値する問いなのだが、ほとんどは自分のことではないと思う。自分は陸の上で生まれたと大抵の人は信じて疑わない。だが、ちょっと歴史を遡れ…

新江東綺景(3)

東雲飛行場 江東区は埋め立ての区と言ってもよいほどで、湾岸部は埋立地。海の底では歴史も文化も何もあったものではない。そんな愚痴はさておき、東雲飛行場は今では聞きなれない名前だが、かつて江東区東雲(現在は有明)にあった民間の飛行場。確かに埋立…

大成丸

久し振りに大成丸が有明西埠頭に停泊している。この大成丸は平成26年4月1日に建造された大成丸四世。独立行政法人海技教育機構に所属し、新人船員の育成のための内航用練習船である。3990トンで長さは90メートルほど。この機構に所属の船では一番新しい。 こ…

あともう少し…

もう一歩でつながる直前の姿は、ゴール達成の手前に似て、待ち遠しくもどかしい。最後の一歩は意外に大変で、「ゆりかもめ」の高架を跨がなくてはならない。だから、見上げるほどの高さのところで最後の仕上げが始まろうとしている。 宙ぶらりんの橋は見事に…

微積分の背後:第6話

ε-δ論法の意義 「xが一定値aに限りなく近づくとき、yは一定値bに限りなく近づく」と言われると、なぜかわかった気がしてしまう。xやyの運動を想定してイメージしているからだろう。だが、これをじっくり考えだすと、次のような疑問にぶつかることになる。「…

夏の気配

梅雨入り前の、晴れた風景には既に夏の気配が十分感じられる。

微積分の背後:第5話

ライプニッツの無限小概念 (1)線分を無限に分割しても点はできない、 (2)点を無限につなげても線分はできない、 という(単純なようで曖昧な)数学的命題をこの世界にそのまま適用するなら、この世界の「連続体」は意味不明なものになってしまう。すべて…

運河のミズクラゲ

夏に入るとクラゲが出現する。それは突然に起こり、水面に白い斑点のように広がる。いつの間にか消えてしまうのだが、気づかれない場合がほとんど。勢いよく泳ぐわけでも、跳ねるわけでもない。音を立てずに、静かに浮いている。そんなクラゲの存在は眼を凝…

陸閘(りっこう、りくこう)

私にはこのタイトルの漢字が読めなかったし、意味も当然わからなかった。調べてみると、防潮堤(壁)が道路を横切る場所に設けるゲートで、英語ならさしずめwater gateというところか。「防潮扉」とも呼ばれていて、この名前はわかりやすい。陸閘は普通の時…

新江東綺景(2) 埋立地にないもの

埋立地にないものは山であり、谷である。埋立地にない自然ではなく、埋立地に必要なように見えてないものについての話である。 江東区の中心は江戸時代早期に深川・本所としてに発達した地域だったため、多くの寺社が存在する。この江戸の下町の海寄りはさら…

微積分の背後:第4話

<流率法を巡って> ニュートン以後の微分積分学の基礎にある「無限小」に関する論争と言えば、バークリが英国の数学界に与えた批判が有名である。バークリは18世紀スコットランド哲学に大きな影響を与えた。実際、ヒュームの 『人生論』とこれに対抗した常…

微積分の背後:第3話

運動変化の連続性、平たく言えば、スムーズな運動変化、途切れることのない、流れるような運動変化とはどのような変化なのか。この問いこそギリシャ以来多くの人が関心をもってきた謎だった。私たちの眼には運動変化は連続的な変化として映る。どんな対象も…

変幻自在

天気予報によれば、この二日ほど日本列島の上空には寒気があり、空気の状態が不安定とのこと。成程普段は見ないような雲の姿が見られた。煙突がビルのガラス窓のように雲を映すことなど半世紀前は誰も想像だにしなかった。 なぜ雲はドラマティックに見えるの…

歩道の金糸梅

このタイトルの記事に友だちから反応があり、金糸梅、未央柳の違いを調べることになった。その途中で、とても面白い経験をした。日頃花をどのように見ているか反省させられたのである。「見る」ことは何と複雑怪奇なことか、改めて思い知った次第である。 ま…

歩道の金糸梅

6月に入り、植え込みの金糸梅の花が咲き出している。紫陽花がいつの間にか咲いているなと思っていたら、金糸梅がほぼ満開の状態。最近は中国原産の金糸梅があちこちに植えられていて、「ヒペリカム・ヒドコート(金糸梅の園芸種)」と書かれていたりする。 …

奇蹟、聖人、福者

2017年2月17日高山右近の「列福式」が行われ、没後402年、高山右近は福者の称号を得た。日本では394人目(日本の聖人は42名)である。では、395人目の福者は誰だろうか。2015年1月23日、教皇庁列聖省の発表によると、北原怜子(さとこ)(1929-58)の英雄的…

新江東綺景(1):潮見

千葉の市川から東京のどこに移ろうかと品定めをしていたときの候補の一つが潮見だった。潮見の印象は良くなかった。生活、風情、暮らしの活気が感じられず、目立つものがほぼ何もない風景は「退屈だ」ということに尽きる。そのためか、「潮見は僻地」と私は…

新江東綺景

以前「江東綺景」というタイトルで、江東区の埋立地を中心に連載していたが、暫く時が過ぎ、その続編を書く気になってきた。東京の湾岸部はオリンピック・パラリンピックの2020年開催に向けて、大きく変貌しようとしている。その変化する街を老人の眼で見つ…

微積分の背後:第2話

<無限と連続> アリストテレスの「連続性」は物理的な対象や変化のもつ連続性だった。この性質をより洗練させるには数学化が不可欠なのだが、アリストテレスにその気はない。 第1話で見たように、アリストテレスは無限概念を定義した。アリストテレスは空間…

暁橋(2)

今朝暁橋を紹介した。この橋(=橋梁)の名前は埋立地に特有の明るい希望を示すような命名の一つ。写真も説明文も不十分だったので、再度心を込めて説明したい。 古代ローマ時代以来、アーチ橋は珍しくなく、しかも美しい橋が多い。シドニーのハーバー橋は鋼…

暁橋

この名前の橋はあちこちにある。今日の暁橋は東雲北運河に架かる「単弦ローゼ橋」という、橋のセンターラインにアーチがある珍しい形をした橋。ローゼ橋とは太いアーチ部材に細く剛な柱材を取り付けて桁を吊り下げる、あるいは支える形のアーチ橋である。名…

「ミネルバのふくろうは黄昏(たそがれ)に飛翔する」

Facebookでフクロウの動画(5月24日)をシェアしたら、多くの「いいね」をいただき、驚いています。どんな生き物も赤ん坊が可愛いのは偶然ではなく、生物進化のなせる技だが、フクロウについての意見を書き加えておきたい。 (古代アテネの銀貨。表面はアテ…

運動会

5月21日に「運動会の練習風景」を紹介した。そこで運動会はとても日本的な行事だと書いたが、昨日は日本中の多くの小中学校で運動会が挙行されたようである。運動会の意義はさておき、子供たちの元気な姿は見ている観客にも元気を与えてくれる。子供たちが走…

微積分の背後:第1話

原子論(atomism)は物質の理論というのが今の私たちの常識なのだが、そんな常識がそのまま成り立たないのがギリシャの原子論で、ギリシャの原子論は自然哲学あるいは形而上学である。その原子論の「原子」とはまるで異なるのがユークリッド幾何学の最初の対…

ゆりかもめの高架を跨ぐ

首都高速晴海線は晴海と有明を結ぶ全長2.7キロメートルのとても短い高速道路。09年2月に豊洲から有明までの1.5キロメートル区間が先行開通。現在整備中の晴海-豊洲間の道路の全長は1.2キロメートルだが、それでも事業費は331億円。道路全体は17年度に完成予…

微積分の背後へのきっかけ

私たちが欲すれば、いくらでも小さい数を選び取ることができるとき、その条件を満たして選び取られた数を「無限小(infinitesimal)」と呼びます。でも、無限小を定義しようとすると、無限小という概念が漠然とした概念であることに気づきます。「無限小」が…

東雲運河の中州

木遣り橋(きやりばし)は東雲運河をまたぎ、豊洲と有明を結ぶ晴海通りに架かった橋。この名称は、この地帯に戦前から貯木場があったことに由来する。その木遣り橋の下を流れる東雲運河には中州があり、鬱蒼とした森林(のミニチュア)になっている。自然に…