サギ

「サギがいる」と喜んで見ると、すぐに「どうしてあれがサギだとわかったのか」、「その判断は本当に正しいのか」といった疑念が過ぎる。よくはわからないのだが、恐らく私の過去の記憶から「あれはサギだ」とわかったのだろう。それが本当に正しいかどうか…

宗教組織と争い

中東での争いの多くにはイスラム教が関わっている。かつての宗教戦争の原因となれば宗教そのものだった。歴史を辿れば、どうも宗教は戦争が好きらしいと誰もが思いたくなる。宗教の存在を悪と思う人は少なく、宗教は人を救い、世界を平和にするものだと信じ…

隅田川の河口

江東区勝どき五丁目の対岸は浜離宮で、その向こうは再開発で生まれた汐留のビル群である。大川の河口で、少し左に行けば江戸前の海。時間の経過を感じさせてくれるような風景で、これからオリンピックに向けて、さらに変貌する風景の一瞬を切り取ったもので…

「懐疑」についての懐疑

デカルトはすべてのことを疑い、疑い尽くしても尽くし切れないものとして「疑う」自分を見出したということになっています。哲学史の授業ではこのような話が定番になっていて、方法的懐疑の特徴はもう何も確実なものはないと思えるところまで懐疑が徹底され…

日曜の風景

日曜の風景の代表となればスポーツ風景。今の日本を代表するスポーツの二つがラグビーとサッカー。辰巳の森海浜公園にある隣り合わせの少年広場とラグビー練習場ではそれぞれサッカーとラグビーの試合が行われていて、昨日もいつもの如く歓声が響いていた。 …

補足:ヘーゲルとマルクス

ヘーゲル以前の哲学が理想ばかり追求したのに対して、ヘーゲルは現実を直視しました。ヘーゲルが見たのは理性的でない伝統や慣習の現実世界でした。そして、ヘーゲルは今この現実世界の状態はまだ途上なのだと考えました。そこで彼が導入したのが、時間の経…

欲望:ヘーゲルまで戻ると…

「欲望とは、他者の欲望である」というハイカラで気障な表現は、精神科医にして哲学者のジャック・ラカンのもの。欲望は自らの心の内にあるというステレオタイプ的な思い込みに対し、それを逆転したというのがこの文の意義。ラカンが説くには「他者の欲望行…

群れるのは人だけではない。群れなければ生きていけないのが両性生物の宿命。群を一つの生き物と見たくなるほどに鳥たちの群れは形とダイナミズムをもって動いている。それが静止画でもわかるのは、私たちが始終鳥の群を見慣れているから。鳥たちが画面いっ…

欲望や意思の存在とその存在理由:From a physicalist point of view

(自然主義や物理主義は心、意思、欲望、霊魂等を一切否定する。そのことに人は大抵猛反発するのですが、その否定の仕方には無頓着な人がほとんどです。以下に述べるのは否定の仕方についての話です。「人には意思や欲望があり、それが行動の原因になる」と…

桜と雪

言わずもがなのことですが、「桜」と「雪」は異なる単語で、実際、雪と桜は異なる対象です。画像の桜と雪は区別が少々厄介なのですが、よく見れば誰にも見分けはつきます。「雪には白色しかないのに対して、桜の花には色々な色がある」のは正しい言明で、異…

対称性と保存則

物理学の真髄の一つとなれば保存則。エネルギーや質量が保存されることが大前提になって世界が考えられ、理解されてきた。この世界観をリアリスティックと呼ぶなら、それに対峙するのがロマンティックな「破壊と再生」の世界観。破壊と再生の際の真髄は模倣…

深川怪談:怨霊、祟り

昨年の富岡八幡宮の宮司殺人事件は世間を驚かせた。いずれ深川怪談の一つとして後世に伝えられることになるのではないか。なにしろ怨霊や祟りという文字が元宮司の遺書に踊り、神社の境内で宮司が殺されたのだから。 人が死ぬとその魂が霊として肉体を離れ、…

同じ月

満月が突然欠け始め、やがて赤黒く輝き出す。そして、再び光が射し、月は元の姿に戻っていく。昨夜この皆既月食が起きた。午後8時50分頃から始まり、約1時間後には皆既食になり、11時過ぎまで続いた。皆既食の継続時間は1時間17分。 皆既月食の一部始終、特…

欲望の社会と地球環境の保全

(NPOの活動は何のため?) 「環境保全」を前面に出して小さな地方都市で活動しているNPO団体にとっては、具体的な個々の活動が注目され、自分たちの活動がどのような意味をもつかは二の次になる場合が多い。だから、活動の意義を問われても、環境省や市役所…

スズメの砂浴び

真冬のスズメとなれば、寒さに震えているのかと思いきや、元気に砂浴びをしているではないか。スズメは水浴びだけでなく砂浴びもする。砂を羽の間に入れて羽ばたく。砂浴びも水浴びも、鳥にとってはとても大切な仕事。綺麗になった身体で冬の陽を浴びる姿も…

東京湾の水

このところ寒い日が続いている。そのため、まだあちこちに雪が残っている。東京湾の水が綺麗になり、そのために海苔の養殖に悪い影響が出ているとニュースが伝えていた。確かに湾岸の運河の水を見ても綺麗である。昔の東京湾とはまるで違う。「流れとよどみ…

右脳とか左脳とか、そして感性とか理性とか…

大脳の右、左の区別と、私たちの感性、理性の区別の間には符合があると勘ぐりたくなるのですが、その知的誘惑には私たちの大脳についての知見とその背後の哲学の早とちりが関わっていたようです。感性や理性という用語自体、堪えられないほどの曖昧さ、いい…

さらに、梅

なんと我が家の隣にも梅の花が咲いている。これもまた早咲きで、見事な花である。梅の花となれば、すぐに連想するのが次の歌。 東風(こち)吹かば思いおこせよ梅の花 主(あるじ)無しとて春な忘れそ 菅原道真の都落ちの時の悲しみの歌だが、受験生が湯島や…

宗教が変わる(6)

日本へ仏教が伝わって来たのは6世紀。新羅に対抗しようと百済の聖明王は日本の援軍派遣を願い、当時最先端の「仏像、仏典」を日本に贈ろうとしました。仏教受け入れに賛成の蘇我氏、反対の物部氏、それで最終的に勝ったのが蘇我氏。そして、本格的に仏教を研…

梅の花との久し振りの再会

このところ寒い毎日が続いていて、日本海側は大雪と聞く。雪国の梅はまだ雪の中で、蕾も堅い筈だが、東京では既に梅の花が開き始めている。寒い中でまだ開花はないだろうという見込みを裏切って、見事に咲き出した。何とも律儀で潔癖なことかと、寒空を見上…

ガンダムの操縦と阿頼耶識

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」では、主人公の乗る「ガンダム・バルバトス」を動かす仕組みが阿頼耶識(あらやしき)システムと呼ばれています。このシステムは、ナノマシンによる外科手術でパイロットの脊髄に埋め込まれた金属端子と操縦席側の端…

宗教が変わる(5)

心の形而上学:阿頼耶識理論 中国にやってきた仏教に対する最初の仕事は、経典の翻訳。インド人翻訳家の鳩摩羅什や玄奘三蔵が色んな経典を翻訳しました。玄奘三蔵は翻訳だけでなく、仏教の資料も輸入しました。彼は三蔵法師として『西遊記』の主人公になり、…

二つの映画

40年近く前アメリカ数学会のサマースクールがイサカのコーネル大学でおよそ1か月間開かれ、それに応募したらOKが出て、8月をコーネルで過ごしたことがあった。昼の講義はいずれも刺激的だったのだが、数学基礎論が専門ではない私には理解するのが大変だった…

宗教が変わる(4)

右半球の宗教から左半球の宗教へ 聖徳太子以来、日本で最も親しまれてきた大乗経典と言えば『法華経』。西暦1世紀前後に新しい宗教改革運動として大乗仏教が起こります。大乗仏教は自らの思想を表現し、布教するために新しい経典をたくさん創作しました。ブ…

宗教が変わる(3)

心の哲学者ブッダ 禅定(座禅)が深まるとともに消えていく意識は表層から深層に向かって次のように分類されています。まず、最も表層には眼、耳、鼻、舌、身(皮膚)、意(脳)の6根(感覚、意識器官)があります。これらは色(物質)でできています。その…

宗教が変わる(2)

実践形而上学者ブッダ ブッダの悟りの中味については種々の解釈があります。彼は開悟の後、かって一緒に修行した5人に最初の説法を行いました(初転法輪)。その時の説法が経典として伝えられていて、その初転法輪の説法には悟った直後の生々しい息吹が反映…

ツバキ、ヤブツバキ、ユキツバキ、カンツバキ、サザンカ

「椿」は日本が原産。でも、タイトルのように色んな呼び名が入り乱れ、正確な使い方など何のそので、生活世界の融通無碍な(そして、いい加減な)語彙のあり方を垣間見ることができます。簡単に講釈すれば、ツバキの別名がヤブツバキ、サザンカの別名がカン…

宗教が変わる(1)

宗教も、宗教観も世俗社会の事柄と同じように歴史の中で変化します。神や仏は不変だとしても、それを信じる人は確実に変わります。感覚的な直感から言語的な理解へと人の行動パターンが進化するのに応じて、宗教も「真理の洞察」、「戒律の遵守」、「愛の実…

漣橋(さざなみばし)

漣橋は、江東区潮見と「辰巳の森海浜公園」を結ぶ橋で、砂町運河に架かっています。平成6(1994)年に完成しましたが、その外見はユニークなS字の曲線です。高速道路では曲線の橋は珍しくありませんが、河川の上で、しかも単なる曲線ではなくS字型というの…

ブッダ:坐禅、解脱、自我、右半球

仏教のスタートはブッダの開悟。ブッダは菩提樹の下で座禅を組み、精神を集中し澄心端座の後、明けの明星を見て大悟した。ブッダの開悟には坐禅が不可欠だった。その坐禅(禅定)の役割について知るためにブッダの修行を追ってみよう。ブッダは出家直後二人…