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最後に、超人ブッダ:自我を超え無我への解脱
 ニーチェが「神は死んだ」と叫んだ遥か前に、当然のように神仏を否定し、すべてを投げ出し出家し、自ら解脱を目指したのがブッダ。果たして一人の人間にこのようなことができるのか。私のような常識人には理解しがたい決断、行為としか映らない。頭でぼんやり想像できても、それを実践し、完成させることは並大抵のことではない。禁煙やダイエットで四苦八苦する私たちには到底到達できない目標である。極めてストイックな自己管理と座禅だけによる心理的な改造は、自己を信頼し、その自己を超越する歩みであり、超人による精神的コントロールの完成である。

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 ブッダ仏教は私たちが馴染んでいる大乗仏教とは似ても似つかぬもの。禅宗の座禅や瞑想が僅かに重なるが、その訓練の度合いは桁違いである。レースやゲームを実際に行う競技者とそれを見る観客を比べたとき、ブッダ仏教は競技者が最後まで競技するためのノウハウ、手引きである。だが、その後の大乗仏教は競技者だけでなく、観客も含めての仏教であり、それが他の宗教と共通する点である。実際の競技に参加できなくても構わないことが誰にでもアクセス可能な宗教であるが、ブッダ仏教は競技者のための宗教だった。

*仏涅槃図

最初のものは日本最古の平安時代の物で、高野山金剛峰寺所蔵。二番目のものは京都の本法寺所蔵で、長谷川等伯作。