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ヒトの白目

 ヒトの「白目」は眼の「強膜」と呼ばれる部分のことです。鳥類や哺乳類には必ず強膜があります。ただ、ヒト以外の動物の強膜はヒトのように多く露出していません。動物は頭部に眼があり、獲物となる動物に対しても、天敵となる動物に対しても、自分の眼の位置を知られないほうが有利です。では、ヒトは何故「白目」をわざわざ見せるように進化したのでしょうか。

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 サルの近縁として樹上から草原に進出したヒトの祖先は、身体は非力で弱い存在でした。草原には草食動物が数多くいて最高の栄養源なのですが、同時に肉食動物も多くいました。ヒトの祖先は二足歩行することで手が自由になり、手を巧みに使うことが大脳を大きくし、知能を発達させました。さらに、ヒトは元々群れをつくっていて、発達した知能を動物の狩りのときのコミュニケーションに活用しました。いわゆる、アイ・コンタクトや手の動きによって、集団で獲物を狩る技術が格段に向上しました。知能の発達のおかげで、「白目」による「黒目」の強調という特徴は、獲物に自分の眼の位置を知らせてしまう短所よりも、狩りや狩り以外の日常生活において仲間同士でのコミュニケーションを大きく高める長所をもっていたのです。白目は口ほどにものを言ったのです。