鳥類の眼の性能

 鳥の視力は驚異そのもの。その主な理由は、眼の内側を覆っている映像を形づくる組織に、他の生物の目よりも多くの視細胞が存在するため。どれほど遠くの小さいものを見られるかを決めているのが視細胞の数で、人間の眼の網膜には1㍉四方にほぼ20万の視細胞があるのに対して、ほとんどの鳥は人間の3倍以上の視細胞を持っている。特に、タカ、ハゲタカ、ワシには1㍉四方に100万あるいはそれ以上の視細胞がある。さらに、左右それぞれの目に中心窩-分解能が最も高い場所-が二つあるという恵まれた鳥もいて、距離と速度をよりうまく感知することができる。飛ぶ虫を捕まえる鳥も同じような眼を持っている。

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(タカ)

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(ワシ)

 さらに、鳥の水晶体は非常に軟らかく、素早く焦点を合わせることができる。見るものすべてがぼやけているとしたら、森や茂みの中を飛ぶことがどれほど危険なことか、容易に想像できるだろう。鳥類の目のデザインはなんとすばらしい自然の知恵を示していることか。
 タカは人間の8倍以上の視力をもつ。人間なら100メートルの距離まで近づかなければ認識できないのに、タカは800メートルの距離から認識できるという驚異的なもの。タカの眼のレンズの焦点距離は長い。焦点距離が長いほど網膜上に大きな像を結ぶことが出来る。焦点距離が長いため左右の眼が内部でくっ付き合っているほどスペースいっぱいに作られている。そのため眼球を自在に動かす筋肉を入れるスペースが無くなり鷹は左右にしか眼球を動かせない。また、最も視力の良い中心窩には色彩感覚のある円錐細胞がぎっしり詰まってカラー化している。また、タカの場合は中心窩の円錐細胞1個1個から出た神経繊維がそのまま脳に入り、1個1個の円錐細胞は独自の信号を脳に送っているので高度な情報処理ができる。
 このような理由から、地上の哺乳類はどう頑張っても猛禽類の眼から逃れることはできなかったのである。