風を操る

 久し振りに海王丸有明の西埠頭に戻ってきた。いつ見てもその姿に眼を奪われ、飽きずに眺めてしまう。周りに人は僅か、誰憚ることなく「海の貴婦人」を終日見つめ続けることができる。風を操る名人といえば「風の谷のナウシカ」だが、帆船海王丸も風を操り帆走する。火、水,風を利用して私たちは文明をつくり上げてきたが、圧倒的に優位だったのが火。産業革命以後、水や風はむしろ脇役で、クリーンエネルギーという言葉さえ使われてきた。その水と風の合作の一つが帆船だろう。
 海王丸は、練習用の帆船で初代と現在の海王丸II世がある。初代海王丸日本丸と共に1930年進水、約半世紀の間「海の貴婦人」と呼ばれ、1989年引退、海王丸II世がそのあとを引き継いだ。初代の設計はスコットランドのラメージ・エンド・ファーガッソン社、建造は川崎造船所艦船工場。海王丸II世は1989年に全通船楼甲板船として就航、先代の海王丸に比べて大型化され、日本丸II世をしのぐ帆走性能をもっている。現在は独立行政法人海技教育機構に属している。なお、現在初代の海王丸富山県射水市海王丸パークに展示されている。
 日本丸II世と海王丸II世の違いの一つが船首像。日本丸は「藍青」、海王丸は「紺青」の女性像で、「紺青」は横笛を吹いている。

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(誰もいない有明西埠頭の海王丸

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(船首像は「紺青」、横笛を吹く女性像)

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海王丸の綴りは「KAIWO MARU」)

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(斜め後ろからの海王丸

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海王丸の船尾)

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(帆走する海王丸