時制の存在についてのとても短い証明(a very brief proof of the existence of tenses)

(1)私たちは自由意志、不安、希望、夢をもつことを経験している。
(2)それら心的な働きは無時制主義のもとではその存在を証明できない。
(3)よって、時制主義が真である。

 私たちのもつ常識には、心が自由意志、不安、希望、夢をもつという常識がある。物理学での時間は無時制主義(時間は時制をもたない)であるが、私たちの常識的な時間像は時制をもつ。それゆえ、物理学の時間は私たちの常識に挑戦し、それを変えようとする。私たちが現在認める心の機能をそのまま享受したいなら、時間の時制主義を採用しなければならない。常識の世界の時制主義と物理学の世界の無時制主義の両立という我が儘を許すことを可能にする工夫の一つが心身二元論。物理的な時間と心理的な時間の両立は心身が別物であるという二元論によって保証できる。
 私たちの心が関わる事柄、特に心の機能についての科学研究は格段の進歩をしている。時間に関しても然りである。そのような状況では心身二元論は否定されている。
 さて、ここに至って真の問題が見えてくる。時制の有無は何を意味しているのか。過去や未来を考えた上での時間は時制を本質とするが、そうでない物理的時間は時制を無視できる。時制の有無が二つの大国(上記の常識の世界と物理学の世界)の違いということなら、心身二元論の言い出しっぺのデカルトなら何と言うだろうか。