二つのPrincipia

 大学2年の夏休み前に図書館で見つけたのがラッセルのThe Principles of Mathematicsだった。どんな風に読んだのかはっきり覚えていないのだが、数学についての哲学とはこのようなものだと思ったのは確かで、同じ頃に読んだ田辺元の『数理哲学研究』との落差だけをはっきり憶えている。夏休みが終わって、見つけたのがPrincipia Mathematica 。何とも大きな本で、しかも3分冊。中を見れば記号だらけ。でも、英語は簡単で読みやすい。授業でラッセルのパラドクスを知っていたので、著者の一人がそのラッセル、これは読まない訳にはいかないと思ってしまった。

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 もう一つのPrincipiaは言わずと知れたニュートンのプリンキピア(Philosophiae Naturalis Principia Mathematica)。こちらは高校時代に名前だけは知っていたが、なぜかとても難しい本だと思い、それが未だに変わっていないのである。実際、読むには本当に難しく、読みたくない。私はニュートンの流率法を知らない。自分が物理学の才能に欠けることがよくわかるのである。プリンキピアは正に奇跡の書物。敬虔なキリスト者ニュートンガリレオの異端を完成させたのである。シャトレ侯爵夫人の仏訳、その愛人ヴォルテールニュートン解説書によってフランス人もニュートン古典力学を知ることになる。

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 これが私のPrincipiaの想い出。原理なるものを自分でも見つけたいと思うのは人の常だが、そんなタイトルの著作を残すことができるのは一握りの人たちに過ぎない。