暁橋(2)

 今朝暁橋を紹介した。この橋(=橋梁)の名前は埋立地に特有の明るい希望を示すような命名の一つ。写真も説明文も不十分だったので、再度心を込めて説明したい。

 古代ローマ時代以来、アーチ橋は珍しくなく、しかも美しい橋が多い。シドニーのハーバー橋は鋼アーチ橋として有名である。この橋のようにアーチが二つ橋を支えていれば、奇妙な印象などなく、とても華麗で、しかも安定しているように見える。

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シドニーのハーバー橋)

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シドニーのハーバー橋)

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シドニーのハーバー橋)

 だが、今日の主人公暁橋は東雲北運河に架かる「単弦ローゼ橋」という、橋のセンターラインにアーチがある珍しい形をした橋である。鋼のアーチが橋の真ん中に一本しかないのである。「ローゼ」は発案者の名前で、太いアーチ部材に細く剛な柱材を取り付けて桁を吊り下げる、あるいは支える形のアーチ橋である。私の第一印象は、橋の中央を走る鋼のアーチは橋とは無関係の別の建造物ではないかという疑問だった。あなたの第一印象はどうだろうか?

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 このアーチが橋の下に移動して、橋を下から支える形の橋は「逆ローゼ橋」。「アーチで支える」という古来の建物の形式はこの「逆ローゼ橋」に見事に再現されている。アーチが橋の上から下に沈むと、不思議さは消え去り、一本のアーチでも不自然に見えなくなる(写真の逆ローゼ橋はアーチが二本)。

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 まとめるならば、アーチの数や位置が僅かに変わるだけでも、橋の姿や印象がすっかり変わってしまうのである。

 暁橋の南詰には久米設計の本社ビルがある。写真の一枚には社名が映っている。大きな設計会社で、有明アリーナの基本設計も久米設計である。