住吉神社(牡丹)

  江東区に「牡丹」という美しい地名がある。かつてここには牡丹を栽培する農家が沢山あったのでこの名前がついたらしい。そのためか、小石場の親水公園の並びには「牡丹園」があり、50種類の牡丹が楽しめる。

 通りに面して窮屈そうな住吉神社の境内末社には車折神社(御祭神:清原頼業公)と芸能神社(御祭神:天宇受売命)が祀られている。境内施設は明神鳥居と参道(?)の左手に境内末社、右手に手水舎がある。拝殿前に狛犬が一対。境内は晴海と同じように手入れが行き届いている。

 場所は江東区牡丹3丁目で、すぐ横には(最近話題の)前川製作所の本社ビルがある。とても立派な本社ビルは自然エネルギーの有効利用技術、環境調和技術を活かしたノンフロンビルとして竣工され、多くの賞を受賞している。本社ビルは下町に似つかわしくないような外観であるのは確かだが、それも時の流れで、ビルの裏に鎮座する住吉神社との下町らしい組み合わせを住民はそれぞれの想いで受け入れている筈である。

 天正十八年(1590)徳川家康は佃村(大阪市西淀川区佃町)の漁民を江戸へ呼び寄せ、海と川の漁猟の許可を与え、江戸城へ魚類の納入を命じた。寛政年間には漁民に隅田川河口の鉄砲洲東の干潟が与えられ、その地を故郷の地名をとって佃島と名づけ、住吉神社がつくられた。その後、享保四年(1719)に佃島漁民の網干場の深川の土地が与えられ、深川佃町と呼ばれた。今の牡丹二、三丁目辺りで、佃住吉神社の分社が創建された。晴海の分社に比べると牡丹の方が遥かに古いことになる。

 深川佃町はその後、町屋の地になり一層発展して深川岡場所の一つとなった。境内の石鳥居、石灯篭は江東区有形文化財、力石(さし石)は区の民俗文化財に指定されている。

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