オリンピックの聖火は水素?

 水素は私たちの生活には馴染みがないように見えるが、実は宇宙全体の約70%を占める物質で、太陽などの宇宙の星が輝いているエネルギーはその水素である。地球上では酸素と結びついて「水」として存在している。水素(hydrogen)という言葉は、水(hydro)の素(gen)という意味。  2020年の東京オリンピックの期間中の聖火の燃料に二酸化炭素を出さない水素を使って日本の環境技術を世界にアピールしようと、大手企業が研究開発を進めていることをニュースで知った。聖火リレーで運ばれ、オリンピックの期間中灯もされ続ける聖火はオリンピックの象徴だが、トヨタ自動車東芝、それに岩谷産業東京オリンピックで、二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーの水素を燃料にしようと研究開発を進めている。

 温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない水素は、燃料電池車などの燃料に使われ、政府も普及を後押ししているが、コストの高さなどがネックになり、思うように進んでいない。天然には産出しないので、化石燃料を使って二酸化炭素を発生させながらつくるか、電力で水を電気分解するか、あるいは光触媒や高温ガス炉で水を分解して作るかしなければならない。そのため、他の資源価格が上昇すると必然的に水素の値段も上がることになる。また、水素の貯蔵、取り扱いには従来の化石燃料よりも手がかかる。  水素を燃料として使用する場合、従来の化石燃料の方が安い。水素の製造に化石燃料が原料やエネルギー源として使われるので、元の化石燃料よりも必然的に高くなるからである。また、燃料電池から電気を使用する場合でも、発電費用は化石燃料からの発電費用の方が安い。現状では水素燃料の使用はかえってエネルギーの浪費につながる。

 質量あたりのエネルギー密度は確かに大きいが、その状態で保管する事は困難で極低温に保つか高圧タンクに貯蔵する必要があり、それらの体積、重量、低温化、高圧化に要するエネルギーを考慮すると経済的とはいえないという意見がある一方、燃料電池はエネルギー効率がガソリン車に比べて高く、エネルギー密度が高いため、ガソリン車よりも経済的とする意見もあって、損得勘定は微妙である。

 そんな中で、我が家の傍を通る都バスのFCV(燃料電池車)は順調に走っている。台数が増えて2020年にはFCVが街中に溢れているかも知れない。いや、損得勘定がクリアーされて、聖火だけでなくFCVも街中に溢れていてほしいものである。

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(走行中の都バスの燃料電池車)

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(前を走るのが普通の都バス)