コスモス

  コスモスが元気に咲いている。野生種はメキシコの高原が故郷で、草丈が2、3mにもなる。葉は細かく枝分かれして羽状になり、花径は大輪種で10cmを超す。コスモスはギリシア語の「kosmos」に由来し、「美しい」という意味。日本に伝わったのは江戸時代末の文久年間。

 だが、私には「コスモス」と聞けば、花の名前ではなく「宇宙」のこと。宇宙のことをコスモス(cosmos)と呼ぶのも同じ語源である。空間(space)は人の視点をもち、宇宙(universe) は神の視点からの世界。cosmosは秩序あるシステムの意味で、その対義語はchaos(混沌)。universeは一つの宇宙を指すが、多元宇宙(multiverse)は複数の共存する宇宙を指す。

 コスモスを見る度に私が思うのは、悲しいかな「宇宙とは何か」という職業的な問いである。何とも野暮な話だが、私にとって宇宙はコスモスではないにもかかわらず、コスモスの花を見ながら条件反射的に自問するのは「ユニバースとは何か」なのである。

 呼び名やその由来が何であれ、「宇宙」は科学、哲学、宗教のどの領域にも同じように顔を出し、私たちの好奇心を掻き立ててきた。

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