東富橋(とうとみばし)と深川鼠(ふかがわねずみ、ふかがわねず)

  江東区は運河が多い。大横川、平久川もその運河で、二つの運河の合流部に架かるのが東富橋。橋長40.5m、幅員17.6mの鋼製トラス橋で琴平通りの橋である。昭和5年関東大震災からの復興で架橋された。平成16年に江東区指定都市景観重要建造物に選定されている。さらに、平成21年色はシックな深川鼠に塗り変えられた。大横川、平久川の河畔には桜が植栽されていて、花見シーズンには桜、運河、東富橋が見事な景観を生み出す。すぐ近くの平久橋も鋼製トラス橋で同じ深川鼠に塗られている。

 今の人は「灰色」と「鼠色」のいずれを使うだろうか。深川は江戸の下町で、深川鼠と言えば、粋な辰巳芸者が好んだ江戸の灰色。この深川鼠は、深川木場の男衆や辰巳芸者に着られたことから、深川鼠という色名がついた。江戸時代には奢侈禁止令が出されて、町人たちは茶、鼠、藍しか着用できなかった。それでも、町人たちは許された地味な色域の中で、粋で豊かな服装文化を展開した。

 江戸中期頃から、色の流行は茶色から鼠色へ移っていき、実に多様な鼠色が生まれた。緑系統の代表が「利休鼠」、青系統の代表が「深川鼠」である。深川鼠はやや青色がかった灰色で、江戸以来の下町深川の色なのである。

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f:id:huukyou:20170902052939j:plain深川鼠