萬年橋

 萬年橋は小名木川にかかる橋。萬年橋が架橋された年代ははっきりしないが、1680年の江戸地図には「元番所のはし」と記載されている。おめでたい名称「萬年橋」となった時期は不明。
 小名木川は江戸へ行徳の塩や、近郊農村で採れた野菜、米などを船で運び込むための運河で、架けられた橋はいずれも船の航行のために橋脚を高くしていた。中でも萬年橋は特に高いアーチ型で、その優美な姿を愛された。北斎富嶽三十六景の中で「深川萬年橋下」、広重は名所江戸百景の中で「深川萬年橋」を描いている。

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北斎「深川萬年橋下」富嶽三十六景)

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(広重「深川萬年橋」名所江戸百景)


 関東大震災で被害を受け、老朽化とあわせて震災復興計画により現在の橋に架け替えられた(1930)。橋の北側は芭蕉が居を構えた場所で、近くに芭蕉記念館がある。隅田川のすぐ南側にある清洲橋は萬年橋からの眺めがもっとも美しく見える角度とされ、清洲橋のモデルとなったケルンのライン川に架かる吊り橋を彷彿させることから「ケルンの眺め」と呼ばれていて、橋の北詰にはその説明まである。だが、背景がすっかり変わってしまった。

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(ケルンの眺め)

*東京にはもう一つ萬年橋がある。それは銀座4丁目交差点から築地・晴海方面に向う 「晴海通り」 が、「旧・築地川」 である 「首都高速道路」 を渡る橋である。