端艇

 橋の下をカッターが行く。若者たちが漕いでいる。彼らの掛け声が運河の水面に響く。大学生だとすれば、近くの東京海洋大学の学生たちに違いない。カッターは水門を抜け、隅田川に向かって過ぎ去っていった。
 私がいた大学では体育会のボート部となれば端艇部。ところが、東大も早稲田も漕艇部である。一方、一橋大は端艇部で、京大、阪大はボート部。何も知らないとこれらはみな違う競技をするのだと思ってしまう。種を明かせば、皆同じ。
 競技のボートは、漕艇(そうてい)、端艇(たんてい)などと呼ばれる。そして、漕艇、端艇とも、細身の競技用ボートを指している。何とも紛らわしいことである。
 ただし、端艇にはもう一つ意味があった。元々は大型船の救命艇として使われていた「カッター」を指している。これらは全国の水産、商船、海洋系の高校や海技学校、大学、海上保安庁海上自衛隊での訓練に使われている。「カッター」と呼ばれる理由は、船の後部の端の部分を切断した形をしているため、という説が有力。画像はこのカッター。
 ところで、体育会の各部の名称は古いものが多い。蹴球部、競走部、ソッカー部、庭球部等々、既に使われなくなった古い名称が今でも生きている。
 そこで、少々真面目に、国史と日本史、国文学と日本文学、あなたならいずれを選ぶだろうか。

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