紫色の花

 紫の色は高貴な色ということになっていたが、最近は色の身分などなくなったから、どんな色でも誰の許しなしに自由に楽しんで構わないことになっている。当然紫色も自由なのだが、遥か昔から野原には紫色が溢れていた。紫の花は意外に多く、年中野原には紫色を見つけることができる。紫色が高貴だったのは人間社会だけのことで自然界ではありふれた色の一つに過ぎなかった。
 そんな野生の代表株となればアザミ。北半球に約300種類が分布する植物で、日本では50種類ほどが自生している。花の咲く時期は主に初夏から夏で、茎の先端に径4、5cmの花を咲かせる。日本人には馴染の花の一つ。

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 次はキキョウ。万葉集では秋の七草の一つ。秋の花のイメージが強いが、実際の開花時期は六月中旬から夏を通じて初秋の九月頃までと長い。なんと絶滅危惧種である。

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 ここからは紫色の花の園芸種。まずブッドレアは長い円錐形の花穂が甘く香る。藤色が基本で、白や紫などの花色があり、数多くの園芸品種がある。ブッドレアの仲間は、約100種。アジア、南北アメリカ、アフリカに分布し、日本ではフジウツギとウラジロフジウツギが自生している。

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 メドーセージが園芸上の名前で、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン北部が原産。サルビアの仲間で、濃い青紫色の花が咲く。

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 ノゲイトウの花色は淡いピンクから濃い赤紫色で、ロウソクの炎のような形をしている。花序は水分が少なくかさかさしていて、簡単にドライフラワーがつくれる。

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 サルビア・レウカンサの原産地はメキシコ。だから、別名はメキシカンブッシュセージ。サルビア属のうち、観賞用のものをサルビア、薬や香辛料として使用できるものをセージと言って区別している。

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 自然の中では色は形より目立つ。どの紫色も見事としか言いようがなく、やはり高貴な色なのかも知れない。