自然の風景と人工の風景  

 戦後の埋立地に住んでいると周りは何から何まで人がつくったものと言ってよく、確かに植物はどれも自然種なのだが、雑草以外は人が育成したもの。それは自然の風景というには気恥ずかしく、人工的な擬似自然風景と呼んだ方がいいだろう。それでも住めば都で特に不満を持っている訳ではない。
 擬似自然風景には芝生が似合うが、自然の風景には苔がしっくり似合う。埋立地に水田は似つかわしくないが、その水田は里山と繋がって日本の自然の風景の定番になってきた。
 子供の頃は見慣れ過ぎていて、退屈な風景でしかなかったものが、久しぶりに見ると今の人工の風景とは確かに違うと感じてしまう。それだけのことで、絶景でも何でもないのだが、そこに自分の子供時代があったと思うと、自然の風景だけでなく記憶の風景でもあって、さらに雪が見えたりすると、成程これが故郷かと妙に納得してしまうのである。

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