辰巳新道(たつみしんどう)

 この名前から何が想像できるだろうか。田舎出の私は文字通り「新道」は地域の発展に寄与する新しい道だなどと思ってしまうのだが、それはまるで的外れ。下町の代表格だった深川の伝統は明治維新、震災,戦災を超えて今でも残っている。その一つが辰巳新道。清澄通りから入り、さらに路地に入ったところにあるのが辰巳新道。かつて玉ノ井には幅1メートルもない狭小路地が不規則に走っていた。それが荷風の『濹東綺譚』に見事に描かれているが、そんな狭い道「辰巳新道」が今でも立派に残っていて、そこには飲み屋が密集しているのだ。
 門仲界隈は江戸の時代も現在も何か同じ空気を引き継いでいる。空気などでなくはっきりしたものを示せとなれば、祭りと飲み屋がその代表というのが私の結論。門仲で飲んでいると横に鬼平がいるような錯覚をもてるのが何とも不思議なのだが、これは老人の妄想。確かに妄想に過ぎないのだが、願わくは江戸の人たちと一緒に飲んでみたいと思うのは私のような呑兵衛の夢。そして、そんな夢を抱かせるのが辰巳新道の飲み屋街。

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