地球の温暖化はなぜ起きるのか:自分用整理メモ(2)

<温暖化の証拠となる地球上の現象は何が原因で起きているのか>

 地球をとりまく大気は毛布のようなものである。地球は全体が大気の層にすっぽりと包まれている。そして、地上の多くの生物が大気(空気)の存在によってその生命を維持している。また、大気に含まれる水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロンなどのいわゆる「温室効果ガス」の存在が地球上の気候を決定し、その気候に生物は適応してきた。つまり、温室効果ガスが生物を生息させてきたのである。
 もし温室効果ガスが全くなかったら、地球の状態はどのようなものになっていただろうか。太陽からの放射エネルギーを受けて地球は常に暖められているが、その温度を適度に保つのが温室効果ガスの重要な役割である。温室効果ガスの存在しない地球は、毛布をはがされてしまったようなものである。地球全体の平均気温は現在約14℃に保たれているが、温室効果ガスが全くなかったとすると、平均気温は-19℃に低下してしまい、極寒の天体となっていたはずなのである。こんな過酷な環境だったら、地球上に現在のような生命、そして人類の繁栄は到底ありえなかったろう。

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 人間が快適に暮らすことができるのは、実はこの温室効果ガスのおかげなのである。人間の活動が拡大することによって大気中に増えるのは二酸化炭素である。自然起源の水蒸気を別にすると、温室効果ガスの主役は二酸化炭素である。私たちは地下に埋蔵された石炭や石油などの化石燃料を産業や生活に利用してきた。化石燃料は、地球上の微生物や植物から生成されたものであり、地球が長い時間をかけて地下に貯えた太陽エネルギーと考えることができる。
 化石燃料を燃やすと二酸化炭素が発生する。その一部は海洋や森林に吸収されるが、残りは大気中に貯えられる。また、森林の大規模な伐採によって、光合成で樹木に貯えられた二酸化炭素が大気に放出される。特に、20世紀の後半、人類はその活動を拡大し、それにともなって大気中の二酸化炭素濃度も大幅に増加した。
 現在、世界の総人口は74億人を超えている。1960年の30億人からわずか40年あまりの間に倍増し、さらに今も増加し続けている。1971年と2005年のデータを比較すると、一次エネルギー消費量および二酸化炭素排出量も約2倍に、経済発展を示す実質GDPはおよそ3倍に増えている。この間の経済発展をもたらしたのは化石燃料の消費を基盤にした人間の産業活動である。

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 さかのぼって、産業革命以来大気中の二酸化炭素濃度がどう変化したかを調べてみよう。南極の氷をとって調査し、各年代の層に含まれる二酸化炭素量から当時の値を推定する。その結果、産業革命前の1750年の濃度は280ppm程度で、産業革命までは濃度の急激な増加は認められず、その濃度は安定していたと考えられる。ところが、現在の濃度は380ppmと3割以上の増加を示している。
 1990年代の10年間に大気中に排出された二酸化炭素の総量は炭素に換算して年間64億トン。そして森林伐採や焼き畑などの土地利用に由来する二酸化炭素排出量が16億トン。このうち26億トンは植物や土壌に吸収され、さらに22億トンが海洋に吸収されるので、残りの32億トンが毎年大気中に貯蔵されたと推定できる。その後の2000~2005年では、化石起源の二酸化炭素の排出量は年あたり炭素換算で72億トンに増加し、海洋と陸上生物圏に取り込まれた量を差し引くと、大気中の増加は年間41億トンと考えられている。二酸化炭素は簡単には分解しない物質なので、大気中の二酸化炭素量は年々増え続けることになる。
 地球の毛布の保温力を高めるガスとして、二酸化炭素のほかに、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類などのハロカーボンなどがあり、対流圏のオゾンも温室効果をもっている。だが、なんといっても二酸化炭素は量が多く、温室効果ガスの主役の地位を占めている。そして、産業革命以降、特に20世紀後半になって、温室効果ガスの主役である大気中の二酸化炭素濃度が著しく増加したことがわかってきた。他方、地球の46億年にわたる歴史をかえりみると、大きな気候変動の波のあることがこれまでの研究で明らかにされている。この100万年の間、氷期と呼ばれる寒冷期と間氷期と呼ばれる温暖期とが10万年おきに繰り返されてきた。現在は、約1万年前に最後の氷期が終わったあとの間氷期にあたり、比較的暖かい時期に該当する。
 現在の温暖化の原因として、こうした大きな気候変動や火山の噴火や太陽活動の変化などの自然要因は関与しないのか。複雑な気候の動きを完全に解明して、温暖化の原因を特定することは簡単ではない。実験して調べることができないからである。だが、ようやく最近になって、「大気大循環モデル」とよぶ気候モデルを使って、原因を推定することが可能になった。まず、火山の噴火や太陽の活動などの自然要因に限って計算した場合、気温の変化はどうなるかをグラフにしてみる。さらに、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加という人為的な要因だけだったらどのような気温の変化が現れるかをグラフにする。どちらも、実際の観測データとは一致しなかった。だが、双方を考慮して計算すると、過去の実際の気温の変化を高い精度で再現することができたのである。
 さらに、その他の研究成果も考慮して、20世紀後半以降に観測された地球温暖化現象は人間の活動によってもたらされた可能性が非常に高い(90%以上)、と結論づけることができる。